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NHKスペシャル ママたちが非常事態!? 夜泣き・イヤイヤ・人見知りにも理由があった!最新科学でハッピー子育て(NHK)

· 8 min read

子育てがうまくいかなかったり、気持ちが落ち込むのは、脳に原因があった。

感想

「お母さん、子育てがつらいのは、あなたのせいではありません」 番組冒頭のナレーションに多くの母親たちが涙した話題の番組、NHKスペシャル『ママたちが非常事態!?』(2016年1・3月放送)の出版化。産後、脳に起こる変化や、親を悩ませる赤ちゃんの不可解な行動を"科学"が解き明かします。番組内容に加え、具体的な対処法を提案する「ハッピーヒント」も満載!

上記は、Amazonの商品紹介から引用。0~3歳児くらいの子育てを対象とした内容のようだった。「たまひよ」を流し読みしか読んだことのない私にとっては、科学の視点で、あかちゃんや母に起こっていることを知れたのは良かった。

例えば、夜泣きかと思っても、実は寝ていることがあるようで、それに関して、

私たちの脳は、睡眠中でも休みなく活動しています。大人の場合、脳内の「脳幹網様体」という部分が働くおかげで、脳の信号が体に伝わらないよう遮断され、体を休めることができます。一方、赤ちゃんの脳は未熟なせいで、このしくみがまだ十分に働きません。そのため、眠っていても脳からの信号が遮断されずに体に伝わり、声を上げたりしてしまうのです。

とのこと。以前、「ドーパミン中毒」を読んだときにも感じたことだが、脳で起こることを知ると、冷静に物事を受け止めることが出来るようになる。科学の視点で理解したことは、直接活かすことが出来ないものだったとしても、問題の受け止め方や夫婦の相互理解につながると思った。

夜泣きに関する話以外にも、科学で子育ての問題を説明している箇所が多く、ためになった。個人的にいくつかを以下にピックアップしておく。

産後うつの仕組み

妊娠中は、エストロゲンとプロゲステロンというホルモンの分泌量が出産に向けて急激に増えていきます。エストロゲンは(中略)気持ちを前向きに活発にする働きがあります。(中略)出産直前の分泌量は、通常に比べ、エストロゲンは100倍から200倍以上、プロゲステロンは10~20倍以上に急増。ところが、産後、どちらも激減します。突然訪れる変化に体が対応できず、気分が不安定になり、さらに、エストロゲンの減少により脳の神経細胞の働き方が変わり、強い不安や孤独を感じやすくなるのです。

エストロゲンが激減する理由に関しては、「バカ族」の「共同養育」を例にあげ、「出産直後にエストロゲンの分泌が激減し、母親に不安や孤独を感じさせるあのしくみは、共同養育を促すものだったとも考えられています」とのこと。

夜泣きの仕組み

妊娠後期の胎児は、昼も夜も浅い眠りと深い眠りを繰り返しているらしく、さらに、夜に頻繁に目を覚ましているとのこと。これは、

目覚めている間の胎児は、寝ている時より活動量が多いため、ママの血液から多くの酸素を奪います。そこで、母体に負担をかけないよう、ママが寝ている夜間によく目を覚ます睡眠リズムになっているのです。

とのことらしく、これが、生まれたあともしばらく続いてしまうためと考えられているらしい。従って、赤ちゃんの睡眠リズムを作ってあげる重要性があるとのこと。

人見知りで泣いてしまう理由

見知らぬ人と目が合うと、まず脳内で、恐怖や不安をつかさどる「偏桃体」という部分が自動的に働きます。しかし相手が危険でないとわかると、「前頭前野」という部分が反応し、恐怖を抑えてくれます。ところが赤ちゃんの場合、脳が未熟なため、この前頭前野がよく発達していません。そのため、見知らぬ相手と目が合うと反射的に強い恐怖を感じ、泣いてしまうのです。

オキシトシン

オキシトシンは、筋肉を収縮させる作用があり、子どもを生むときに大量に放出されて子宮を収縮させ、出産に至らせます。産後の授乳の際にも興俊都心がたくさん出て乳腺を収縮させ、お乳を出します。子どもを生み育てるときには、欠かせないホルモンなのです。

しかし、チャップマン大学などでの実験などで、オキシトシンは「攻撃性が高まる」という性質もあるとのこと。「心地よければ愛情が増し、不快なら攻撃」ということらしい。

その他

本書で、赤ちゃんの発育を科学的な視点で知ることができた。アドラーは子供が、視覚、聴覚、体を動かすことに対して、どれを好むのかを知る必要がある、と書いていたと思うが、今やこうしたことも科学的にわかるサービスなどがあるのか気になった。